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10代で知っていたらかっこいい「72の法則」(第1回)

1. はじめに

商売・ビジネス・仕事、また、普段の生活をするうえで、数字に強くなっておくと、いろんな場面で得をしたり、損しないで済んだりします。

今回は10代で知っていたらかっこいい「72の法則」を伝授します。

2. 「単利(たんり)」とは?

「72の法則」を理解するには、まず金利について理解する必要があります。

元本(がんぽん。元となるお金)100万円を、金利が年4%の銀行預金に預けたとします。(今は超低金利時代なので、4%はあり得ないくらい高い金利ですが。)

すると、1年後には

 100万円×4%=4万円

の利息(りそく)がついて、104万円になります。

 100万円×(1+0.04)=104万円

と計算してもいいです。

この受け取った利息4万円をおこずかいとして使ってしまって、元本100万円だけを預金しておきます。また1年経つと、100万円×4%=4万円の利息がもらえます。

このように、毎年、利息4万円はおこずかいとして使ってしまって、元本100万円を変化させずに計算する利息のことを「単利」と言います。

単利4%で100万円預金し続けると、18年間の利息の合計は

100万円×4%×18=72万円

となります。

元本100万円を元手に18年間で72万円稼いだことになります。

3. 人類最大の発明の一つ「複利(ふくり)」とは?

20世紀の物理学者で、相対性理論で非常に有名なアルベルト・アインシュタインが「人類最大の発明」と言ったものは何でしょうか?

それは「複利」です。

単利のときは、毎年、利息4万円はおこずかいとして使ってしまいました。

その利息4万円を使わずに毎年、元本に加えていったらどうなるでしょうか?

 1年後:100万円×(1+0.04)=104万円

 2年後:104万円×(1+0.04)=108.16万円

 3年後:108.16万円×(1+0.04)=112.49万円

計算を続けると、18年後は

 18年後:約195万円×(1+0.04)=約203万円

となります。

このように、毎年もらえる利息4%分をおこずかいとして使わず、元本に毎年付け加えていって計算する利息を複利と言います。

毎年、利息4%をおこずかいとして使ってしまわず、預金に頑張って貯め続けた結果、預金の額が増えていき、その増えた額にも利息がつくことによって、複利だと雪だるま式にお金が増えていくのです。

その結果、単利では18年間で72万円を稼ぎましたが、複利だと同じ18年間で

 203万円-100万円=103万円

も稼げてしまったのです。

これが複利の威力であり、アインシュタインにして「人類最大の発明」と言わしめたものです。

複利の計算式は、

 1年後:100万円×1.04=104万円

 2年後:100万円×1.04×1.04=108.16万円

 3年後:100万円×1.04×1.04×1.04=112.49万円

のように書き直すことができます。

2年後だと1.04の2乗、3年後だと1.04の3乗を掛ければ良いとわかります。18年後は1.04を18回、すなわち、1.04の18乗を掛ければいいのです。

このように何乗を掛けるというのは、とてつもないパワーを持っているのです。

つづき