1. はじめに
何か悪いことが起こったり、失敗したり、恥をかいたり、うまくいかなかったりしたとき、あなたはどう考えますか?
他人や環境のせいにしていませんか?
何でも他人や環境のせいにしている人は、幸せになれないのです。
10代のあなたが、幸せな人生を送るには、すべて起こることの原因は自分にあると考えなければなりません。
これを「自己責任論」というと少し意味が違ってしまうので、「自分原因論」としたいと思います。
2. 原因と結果の法則
ジェームズ・アレンが1902年に出版された「AS A MAN THINKETH」(原因と結果の法則)は、聖書に次いで一世紀以上ものあいだ多くの人々に読まれ続けている、驚異的な超ロング・ベストセラー、名著です。
デール・カーネギー、オグ・マンディーノ、アール・ナイチンゲールなど、現代成功哲学の祖たちが最も影響を受けた本とも言われています。
この「原因と結果の法則」は非常にシンプルです。
それは、「自分をとりまく現在の環境という『結果』は、自分の思いという『原因』が作り出したものである」ということです。
ジェームズ・アレン著の本「原因と結果の法則」にも次のように明確に書かれています。
「私たちの人生は、ある確かな法則にしたがって創られています。私たちがどんな策略をもちいようと、その法則を変えることはできません。『原因と結果の法則』は、目に見える物質の世界においても、目に見えない心の世界においても、つねに絶対であり、ゆらぐことがないのです。」
すなわち、これは、「水が高いところから低いところに流れる」、「ものが上から下に落ちる」くらい絶対的な法則ということです。
植物が種から芽生えるように、自分の思いという「原因」から現在の環境という「結果」が芽生えるのです。
四字熟語でも「因果応報(いんがおうほう)」「自業自得(じごうじとく)」という言葉があります。
広辞苑によれば、それぞれの意味は下記のようになります。
- 因果応報: 過去における善悪の業(ごう)に応じて現在における幸不幸の果報が生じ、現在の業に応じて未来の果報が生ずること。
- 自業自得: 自らつくった善悪の業の報いを自分自身で受けること。一般に、悪い報いを受けることにいう。
まさに、原因と結果の法則ですね。
3. 「思い」が先なのか、「言葉」が先なのか
「原因と結果の法則」では、現在の環境という「結果」は、すべて、自分の「思い」という「原因」が発端ということでした。
パパは、自身の経験から「はじめに思いありき」ではなく、「はじめに言葉ありき」であると考えています。
すなわち、「言葉」が「思い」を変えていくと考えています。
しかしながら、「まず言葉が大事」という「思い」が最初にあると言えば、それも正解だと思います。
これは、にわとりと卵のような問題で、絶対にどちらかが先という答えは無いと思います。
4. 自分原因論
何か悪いことが起こったり、失敗したり、恥をかいたり、うまくいかなかったりしたとき、あなたはどう考えますか?
他人や環境のせいにはしていませんか?
「原因と結果の法則」の通り、現在の環境という「結果」は、すべて、自分の「思い」という「原因」が発端なのです。
言い換えると、他人や環境のせいではなく、自分が原因なのです。
何か問題が起こっている場合、まずは「自分が『原因』で、現在の状況という『結果』になっている」と客観的に事態を認識することです。
そうすれば、そこから課題を見つけ、これからの自分の行動にどう活かしていくかを考えることができます。
他人や環境のせいにしていても、他人と環境は変えられないのです。
悪い環境を変えられるのは、自分の言葉・思い・行動だけなのです。
例えば、10代のあなたがある部活に入っていて、自分より実力がないと思っている友達がレギュラーで、自分が補欠だとしましょう。
このとき、「監督は見る目が無い」などと、他人のせいにしてはいけません。
すべては自分に原因があると考え、起こったことは仕方がないが、これから何をしたら改善できるのかを考えるのです。
例えば、
- 数値・データ・実績で自分の実力を語れるのなら、そのデータを監督や部活内で共有してみる。
- チーム内で部員それぞれがお互いどう評価しているかアンケートを取ってみる。
- 自分がもっと監督と積極的にコミュニケーションを取ってみる。
- 自分の弱点の練習を強化してみる。
- 上記の行動等をしてみて、それでも監督が正当な評価をしてくれない人物だと判断した場合は部活をやめて、他の部活や、他の学校の部活に入部してみる。
10代のあなたが社会に出ても同じです。
あなたがある会社に入っていて、自分より実力がないと思っている友達が昇格し、自分が昇格できなかった場合、どうするか?
このとき、「上司や人事部は見る目が無い」と言っていても全く何も変わらないのです。
それよりも、すべては自分に原因があると考え、起こったことは仕方がないが、これから何をしたら改善できるのかを考えるのです。
例えば、
- 上司に自分の実績は正確に伝わっていただろうか?伝わってなかったとすれば、今まで以上に報告をする機会を増やしてみる。
- 上司とのコミュニケーションを増やして、上司のニーズを見極めながら業務を改善していく。
- 業務に役に立ちそうな資格を取得してみる。
- 上記の行動等をしてみても、全く報われない場合は、転職する。
自分原因論でものごとをとらえることにより、人生が幸せな方向へと導かれるのです。
5. 自分原因論の注意点
「原因と結果の法則」の通り、現在の環境という「結果」は、すべて、自分の「思い」という「原因」が発端です。
また、何か問題が起こっている場合、まずは「自分が『原因』で現在の状況という『結果』になっている」と客観的に事態を認識したうえで、改善策を打っていけば良いと説明してきました。
しかしながら、自分原因論には注意しなければならないことがあります。
それは、全部自分が悪いと考えたり、自責の念(自分のせいと自分を責める)を持ったりすることは厳禁なのです。
結婚した相手が家庭内暴力をふるう人だったとか、入社した会社が毎日残業・休日出勤・手当無しのブラック企業だったとかの場合、自分が悪いのだから我慢しようというのは「自分原因論」ではありません。
逃げなきゃいけないときは、できる限り早く逃げましょう!
6. 自分原因論であなたも幸せに
幸せになるためには、自己肯定感が重要です。
悪いことが起こった時に、他人や環境のせいにした人たちの自己肯定感はどうなると思いますか?
答えは、自己肯定感を下げてしまうのです。
悪いことが起こった時に他人のせいにしている人の脳はどのように考えているかというと、次のような感じです。
- 自分の現在の環境という結果は、他人が作ったものである
- したがって、自分ではコントロールできない。
- 自分は、自分の現在の環境をコントロールできない、能力の低い人間である
よって、悪いことが起こって他人のせいにして、自分を守れたように思ったのですが、自分の脳は、自分は能力の低い人間ですと理解してしまい、自己肯定感が下がってしまうのです。
一方、自分原因論を実践している人たちは、全く逆となります。
- 悪いことが起こっても、自分で改善策を考えて改善に向けて行動できる。
- いざとなれば、自分の意志で、さっさと逃げることも判断する。
- 何が起こっても、自分で選択できるという自信がつく。
上記のように、自分原因論を実践している人たちは、自己肯定感が上がって、幸せになるのです。
7. 所得や学歴より「自己決定」が幸福度を上げる
2018年8月、神戸大学社会システムイノベーションセンターの西村和雄特命教授と同志社大学経済学研究科の八木匡教授は、国内2万人に対するアンケート調査の結果、所得、学歴よりも「自己決定」が幸福感に強い影響を与えていることを明らかにしました。
https://www.kobe-u.ac.jp/research_at_kobe/NEWS/news/2018_08_30_01.html
幸福感に与える影響力を比較したところ、健康、人間関係に次ぐ要因として、所得、学歴よりも「自己決定」が強い影響を与えることが分かりました。
特に、学歴は幸福感と相関が無いという結果となりました。
世界幸福度ランキングの中でも、人生選択の自由度は調査項目の1つになっています。
2022年の世界幸福度ランキングでは、日本は146ヵ国中54位となっています。ちなみに、1位はフィンランド、2位はデンマーク、3位がアイスランドとなっています。
他人ではなく、自分で決定できるということが、幸せにつながっていくのです。
8. 最後に
「10代のあなたが自分原因論で幸福になる(第1回)」では、「因果応報」、「自業自得」という言葉が出てきました。
これらの言葉は仏教からきています。
これは無理に信じなくてもいいんだけど、仏教には、輪廻転生(りんねてんしょう)という考え方があります。
人間は不滅の魂を通じて、何度も何度も生死を繰り返しているという考え方です。この世に生まれてくる前のことを前世と呼んでいます。
「因果応報」、「自業自得」という言葉は、「この世に生まれてから、あなたはほぼ完ぺきに徳を積みながら生きているのに悪いことが起こる場合、それは前世のあなたが原因のこともある」という意味まで含まれています。
こんな考え方も頭の片隅に入れておくと良いでしょう。
何か悪いことが起こっても、他人や環境のせいにせず、自分原因論で考えていきましょう。
そうすれば、人生ハッピーに過ごしていくことができます!
パパより