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将来の仕事のために10代がいまできること(第3回)

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5. 日本の新卒採用はどうなっていくのか?

前段では、新卒採用カードがあるので、大学卒業を推奨しました。

ただ、いま10代の方は、この新卒採用カードがいつまでも続くわけではない、と考えなければなりません。

日本雇用の三種の神器「新卒採用、終身雇用、年功序列」の後半2つの終身雇用、年功序列については崩壊するかもしれないと前回説明しました。

いまは新卒採用も危うくなっています。

海外では、新卒採用カードはなく、新卒でも即戦力が求められることは説明しました。

日本でも、この海外と同じような採用形態になる時期が刻々と近づいています。

例えば、日本でも、IT、デジタライゼーション、データサイエンスといった人材は、昨今、どこの企業でも欲しい人材です。

IT、デジタライゼーション、データサイエンスといった人材を育てている大学の研究室に所属している学生は、企業からのオファーが引く手あまたで就職に困りません。(もちろん、勉強も大変だと思いますが。)

また、YouTube、Twitter、Instagramなどの登録者・フォロワーが多いインフルエンサーの学生も企業から引く手あまたです。

すなわち、偏差値の高い大学を出たから、良い企業に就職できる時代ではなく、いかにその学生が即戦力なのかを評価する時代に移ってきていることが分かります。

2022年5月6日の日経新聞の記事によれば、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行は、2022年度は中途採用を8割増やし、新卒採用重視から転換していく計画となっています。

金融サービスのデジタル化や犯罪対策、気候変動対策など即戦力の専門人材を強化するのが、その理由です。

まさに、いまの10代の方々は、新卒採用を目指すにしても、起業するにしても、自分の専門性を高めなければいけない時代になってきているのです。

6. 会社と社員との関係は、将来どうなっていくのか?

人間の平均寿命はだんだん延びており、いまの10代の方々の寿命は100歳を超えるかもしれないと言われております。

60歳から支給されていた年金も、65歳、70歳、75歳とどんどん後ろ倒しにされています。

将来、高齢者の定義も60歳超から、70歳超、更には、80歳超に変わっていくかもしれません。

人間の寿命が延びる一方、変化の激しいビジネス環境の下、企業の寿命は逆に短くなっていきます。

仮に、いまの10代の方々が、22歳から72歳まで50年働くと考えたとき、50年もビジネスを伸ばし、倒産しないでやっていける会社はどのくらいあるでしょうか。

極めて少ない可能性が高いと思います。

例えば、デジタルカメラの登場に押された、カメラフィルムの会社は、大きな会社でもコダックのように倒産するか、富士フィルムのようにビジネスモデルを大幅に転換して、どうにか生き残るしかありませんでした。

ビジネスモデルを転換すれば、求められる社員のスキルも変わってしまいます。

他の例としては、パパは2005年くらいから数年、当時流行していた、Blackberryという携帯電話を使用していました。

ところが、iPhoneやAndroid携帯に押されて、今や見る方もなくなりました。

したがって、企業の寿命という観点からも、一つの会社に終身雇用で勤めるというのは、現実的ではなくなってきているのです。

終身雇用・年功序列時代は、会社と社員の関係は、雇用が守られる代わりに、会社の都合に合わせて、部署異動・国内外転勤が行われてきました。

今後は、プロ人材である社員と会社が、まるで会社と会社の間の関係のように、対等に付き合っていく時代になっていくでしょう。

また、同じ仕事をしていても、正社員と派遣社員で給料が異なるとか、勤続年数が長いだけで給料が高くなるとか事象は是正されていくでしょう。

すなわち、同じ仕事、同じプロ度、同じ成果の人には、同じ賃金を支払う世界になっていくと思います。

パパ世代のおじさん達には厳しいですが、10代の方々にとっては大チャンスです!

つづき